原田悠自 福田祥史
他人のデジタル地域通貨を使って、たばこなどをだまし取ったとして、茨城県警は28日、千葉県柏市に住む美容室従業員の少年(19)を詐欺容疑で逮捕し、発表した。「お金を使わずに欲しいものが手に入るからやっていた」と容疑を認めているという。
サイバー犯罪対策課によると、少年は1月28日から2月4日までの間、茨城県守谷市内のコンビニエンスストア2店舗で4回にわたり、同市の女性(71)が保有する市のデジタル地域通貨「Morin(モリン)」の使用権限があるように装い、スマートフォンによる電子決済でたばこなど29点(約9900円相当)をだまし取った疑いがある。
Morinは、同市の公式アプリ「Morinfo(もりんふぉ)」を利用して、同市内の店舗で現金同様に使えるデジタルポイントの名称。昨年12月1日から利用が始まった。3千円で1万円分のポイントが購入できた「プレミアム付きデジタル商品券」と、高校生までの子どもに1人1万円分が付与された「子育て王国わくわくポイント」で、今年2月15日まで、市民に限って利用できた。
県警や守谷市によると、少年は市が高齢者などのためにアプリのダウンロードや商品券の購入などを支援するために設置した窓口で、派遣従業員として勤務していた。被害に遭った女性は商品券を購入するために窓口を訪れた。窓口では担当者がIDやパスワードを代わりに入力することがあったといい、少年はその際に個人情報を入手した可能性があるという。
今年1月、別の市民から「自分のMorinが勝手に使われた」という相談が市に寄せられ、市が調査する過程で不正利用の可能性が複数出てきたため、取手署に連絡したという。県警は、他の不正使用の疑いについても調べている。(原田悠自、福田祥史)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル